令和版徒然草 おっさんの戯言

Essays in idleness 酒と熊野とサウナとラーメン

熊野古道:大雲取越

熊野古道に魅せられてから早5年。数多の古道を歩いてきた。どの道も美しく、また歴史と風情が有り、甲乙を付ける事など出来ない。が、象徴的な古道は?と問われたら。。大雲取越を推挙するだろう。

古道としての風情。道の険しさ。自然の美しさ。

大雲のそれは際立っている。

過日、那智大社からこの魅惑の古道を踏破した時の記録を記します。

大雲取越への入り口は那智大社の境内、茶屋の横に有る。

那智山中、見事な石畳を登っていく。整然としていてまた歴史を感じる道。清しく、また霊験あらたかな気持ちになる。

やがて那智高原に到着。広々とした公園になっていた。どデカい滑り台が有った。滑りたい衝動に駆られたが先は長い。歩を進めた。

那智高原を過ぎ古道を進む。登立茶屋跡に到着。

更に進む。ほぼ山道且つかなりの険しさ。だが、きちんと整理されているというか道はハッキリとしている。整備して下さっている方々に感謝。

船見茶屋まで来た。標高870MT。

文字通り、この船見茶屋からは熊野灘が一望。素晴らしい景色だった。しばし絶景を眺めてボーっとしていた。こういう時間が今の俺には必要なんだろうな。

船見茶屋からは下る。

↓八丁の堀割など多々見所有り。尚、この先の道が素晴らしい。写真は残念な事に無い。左手に清流を見ながら地蔵茶屋まで向かう道がとても美しい。正に清流。麗しき清水。苔の輝き。余りにも素晴らしく写真を撮る事すら忘れて歩いていた。

地蔵茶屋には山小屋というか東屋が有り、こちらにて友人のツールにて湯を沸かしカップ麺とコーヒーを堪能した。何故か山、或いは冬の釣り場にて食うカップ麺は極上だ。

地蔵茶屋から石倉峠を経て越前峠を目指す。これが大雲最後のピーク且つ最大の難関。

那智大社から約3時間半、10キロの山道を歩いてきた。が、ここから先、越前峠までの登りは容赦無し。

急登が疲れ切った足腰を更に痛め付ける。

直下は凄い傾斜だったような。見事な石畳だったけど愛でる余裕無し。

漸く越前峠到着。タフな峠越えであった。

ここから先は下り。小口集落へ向かった。因みに越前峠から小口方面への坂道は胴切り坂と呼ばれる。標高差800MTを急傾斜にて下るこの坂道は確かに凄かった。胴切りとは良く言ったもの。元来何故か下りは得意なんで何とかこなせたものの。。逆打ちでこの坂を登っていたら。。心が折れてしまいそう。

因みにこれまた写真が残されていないが胴切り坂を下り切ると円座石という梵字が刻まれた不可思議なる苔蒸した大岩が有る。機会が有れば是非見てもらいたい。かつて熊野の神々がこの巨岩の上で語らいあったという伝説が残されている。

大雲・小雲取越の縦走、いつかやってみたい。が、どんどん体が退化しているんで50前じゃないと無理かもな。

大雲って何だか人生の象徴みたい。総じて険しく苦しい道のりだが途中とても麗しく美しい場所と時間が点在する。最終的には円座石に辿り着く。

今は越前峠直下辺りなのかな。否まだまだ先なのかな。