令和版徒然草 おっさんの戯言

Essays in idleness 酒と熊野とサウナとラーメン

福島 三春の滝桜

季節外れだが三春の滝桜に関して。

かれこれ7年くらい前だろうか。日本三大桜の一つに数えられる三春の滝桜を愛でる為、福島へ旅立った。

前日は郡山に宿を取り、翌朝、5時に出立。人手が少ない時間帯にゆっくりと滝桜を拝見したかったので。

早朝、三春着。

人はまばらでいい感じ。早起きは三文の徳だな。

凛とした朝の空気の中、滝桜を目にした。何とも美しく且つ妖艶というか。素晴らしい。

桃源郷だ。桜だけど。

帰路、タクシーを利用。

途上、東日本大震災の被災者の方々が住まう仮設住宅を目の当たりにした。運転手さん曰くまだまだ故郷に帰れずに三春に住んでいる方がいらっしゃるんですよとの事。

暫し言葉を失った。

豊かな文化と風土が有り、名湯が湧き、安達太良山や磐城の海など雄大な自然が有り、その土地に根差して生きてきた人々の歴史と思いが有る。

それらを瞬時に奪ってしまった原子力。にも関わらず未だそれに頼らざるを得ないこの国のエネルギー戦略。

国がやらないならと業スーの社長さんが地熱発電の開発を目指しているというニュースを見た。国策として支援すべきじゃないのか?

且つ、核の威力を平然とちらつかせる隣国。東西冷戦に回帰してしまうのか。この国においても核武装の必要性が再三討議される事態になってしまった。

解は見い出せない。

が、そんな状況下でも毎年大変見事なる満開の桜を咲かせる三春の滝桜に深く感動した。拍手を送りたい。いや違うな。深く敬礼したい。とても力強くそして美しい。多くの人々を魅了すると共にきっと鼓舞してきた。いつまでもその花を咲かせて下さい。